子どもの育てにくさを感じたとき、「もしかしてうちの子ども、発達障害・・?」と頭をよぎる保護者の方も多いのではないでしょうか?
グレーゾーンという子どもがある通り、診断するのが難しいとされる発達障害。その症状にはどのような特徴や症状があるのか気になるものです。
そこで、ここでは発達障害の種類からその特徴、また疑ったときに親がとるべき行動をご紹介していきます。
目次
発達障害とは?
発達障害とは、脳の一部に何らかの先天的な機能障害があり、社会やその場に適した言動が難しくなる障害です。
原因が最近までよく分かっていなかったこともあり、親のしつけや本人の性格、精神疾患のせいにされることの多い障害でしたが、その後の研究で「生まれつきの脳機能の障害によって引き起こされるもの」ということが分かりました。
発達障害の子どもは周りから「空気が読めない子」「自分勝手」「ちょっと変わった子」と評価されてしまいがちですが、多くのケースで本人にとっては悪気がなく、自然な行動といえます。
発達障害|タイプ別の特徴
発達障害の主な種類として「自閉スペクトラム症(ASD)」・「注意欠陥多動性障害(ADHD)」・「学習障害(LD)」などがあり、特性や困難とすることは種類によってさまざま。
症状の現れ方も複雑で、単独の障害として現われる場合もあれば、複数の障害を併存する場合もあり、症状の強弱も一人ひとり違います。
代表的な3つの種類の特徴をみていきましょう。
▼自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症は、かつて自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害と呼ばれていた障害を総称したものです。
幼少期は「視線が合わない」「ほほえみ返さない」「身振り手振りのマネをしない」「言葉の遅れがある」「集団に入れない」「こだわりが強い」「感覚が過敏」などの症状が見られ、多くの場合、3歳頃までに診断することが可能です。
ASDには次のような特徴があります。
ASDの3つの特徴
- 社会性の障害:社会生活におけるマナーや、暗黙のルールの理解ができない
- コミュニケーションの障害:人の気持ちを察したり、共感することができない
- こだわり行動:状況に応じて臨機応変に対応したり、気持ちの切り替えができない
▼注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害(ADHD)は、発達障害のなかでも最も多くみられる障害で、「不注意」「多動性」「衝動性」などといった特性が強く現われるのが特徴です。
その特性の現れ方により、ADHDは下記の3つのタイプに分けられます。
ADHDの3つのタイプ
- 不注意優勢型:忘れっぽくてなくし物や忘れ物が多い。ものごとに集中できなく、人の話も聞くことができない。整理整頓も苦手。
- 多動性・衝動性優勢型:落ち着きがなく、常に体の一部を動かしてソワソワしている。考えなしに突発的に行動する。突然カッと怒り出すけど、すぐにおさまる。
- 混合型:不注意と多動・衝動性の両方の特性を兼ね備えている。
ADHDの約8割が混合型に当てはまるといわれていますが、同じADHDでも症状の現れ方は人それぞれ。個人差が大きいのが特徴です。
▼学習障害(LD)
学習障害とは、知能全般に問題がなく、本人の学習意欲も十分にあるにもかかわらず、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」という6つの能力のうち1個以上に困難が生じている状態のことをいいます。
これらは脳から正しい情報を引き出せなかったり、引き出すまでに時間がかかることで引き起こされるものと考えられており、LDのうち約8割が「読み書き障害」に当てはまるといわれます。
LD症状の具体例
- 小さな「つ」「や・ゆ・よ」が入った言葉を上手く発音できない(読むことの障害)
- 文字のバランス(大きさや形)が悪く、罫線やマス目から大きくはみ出る。(書くことの障害)
- 「2+1」のような簡単な計算でも指を使う。(計算することの障害)
子どの発達障害を疑ったら・・親がとるべき「4つの行動」
子どもが発達障害かも?と思ったら、親は次のステップに沿って冷静に対処していきましょう。
ステップ1. セルフチェックを行う
まずは、下の表を基準にセルフチェックを行いましょう。
当てはまる項目が多ければ多いほど発達障害の可能性が高くなります。
出典:政府広報オンライン(https://www.gov-online.go.jp/featured/201104/)
ステップ2. 「発達障害者支援センター」や「市区町村の窓口」に相談する
上のセルフチェックにて当てはまる項目が多い、もしくは子どもに対して「ほかの子と比べて、ちょっと変わっている気がする」「おかしいかも・・」と感じたら、発達障害や子育ての支援を行っている専門機関に相談しにいくといいでしょう。
全国にある「発達障害支援センター」は、国が委託して運営している機関なのでサポートも手厚く相談も無料。医療、福祉、教育などの関係機関とも連携しているので、その後の「診断」に進む際もスムーズです。
▼詳しくはこちら
▼「たんとある」のある岐阜県の発達障害者支援センターはこちら
また、いきなり発達障害者の支援センターに相談するのに抵抗があるのであれば、地域の「子育て支援センター」や「児童相談所」「保健センター」などに気軽に相談するのもいいでしょう。
ステップ3. 「医療機関」を受診する
発達障害と診断できるのは医師のみです。
まずは、かかりつけの小児科医に相談してみましょう。その他「精神科(児童精神科)」「小児神経科」などでも診断が可能です。
ステップ4. 「療育」を検討する
医療機関で発達障害と診断された場合は、子どもの特性に合わせた適切なサポートを受けるために「療育」の利用を検討するといいでしょう。
療育にもさまざまな種類がありますが、多くの場合「発達障害を持った子どもと親へのサポート」や「本人の自立や社会への参加への支援」を目的としています。
「子どもにどう接したらいいか分からない。」
「子どもが社会に出ても困らないようにしてあげたい。」
そんな方は、ぜひ療育施設の見学会に参加し療育とはどんなところなのか、確かめてみるといいでしょう。
発達障害は「早期に気づく」「一人ひとりの特性に合わせた適切なサポート」が大切。
発達障害の子どもは、社会で生きていくために欠かせない「社会性」や「コミュニケーション」を苦手とします。
そのため、成長し集団の中に入る機会が増えれば増えるほどさまざまな問題に直面し、ときには大きなストレスを感じることになります。
最近「大人の発達障害」についても注目されていますが、親に発達障害の知識がなかった、もしくは性格だと誤解されたがために発達障害と診断されないまま大人になるケースも珍しくありません。
親は少しでも「おかしい」と思ったら、放置せずに専門知識を持った人に一度相談するといいでしょう。
発達障害を持った子供へ親がまずできることは「早く気づくこと。」
そして、その後「子どもの特性に合わせた適切なサポートを受けること」に繋げてあげることが大切です。
適切なサポートが受けられないまま成長した場合、社会でどうたち振る舞っていいか分からなくなり、不登校や引きこもりなどの2次障害を引き起こしやすいともいわれています。
発達障害と診断された子どもへの「接し方」気をつけるべき点は?
最後に、発達障害の子どもへの接し方のポイントをご紹介していきます。
親がちょっと工夫するだけで子どもが日常を過ごしやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
「できない」を叱らない。
まず、発達障害の子どもに大きな声で叱ることは、パニックを引き起こす要因にもなるので基本的にNGです。
子どもが困難に直面したとき、ついつい他の子どもと比較し焦って「どうしてできないの?」と口調も強くなってしまいがちですが、できないことを叱るよりも、できたことに注目し褒めてあげるほうが効果的です。
どんな小さなことでもいいので、成功体験を重ねていくことは子どもの自信にも繋がっていきます。
遠回しは「×」具体的に、はっきりと簡潔に伝える
発達障害の子どもは、遠回しな表現やあいまいな表現の理解が苦手です。子どもに何かを指示するときは、具体的にはっきりと簡潔に伝えましょう。
例えはお片付けをして欲しいとき、「テーブルのうえを片付けて!」というのではなく、「テーブルのうえにある、本を本棚にしまってきて」という方が、子どもは自分がすべきことがイメージしやすくなります。
情報伝達は、耳よりも「目」から。
発達障害の子どもは「視覚優位」の特性を持っていることが多いといわれています。
そのため、言葉で伝えるよりも文字や絵や図を使って伝えるほうが効果的です。
日常生活においてのルールを決めたら、言葉で伝えるよりも紙に文字や絵をかいて壁に貼っておくといいでしょう。
可児市の放課後等デイサービス「たんとある」にもお気軽にご相談ください。
もし発達障害のことでお困りのことや不安なことがありましたら、岐阜で放課後等デイサービスを営む「たんとある」にご相談ください。現場目線でさまざまなアドバイスをさせていただけるかと思います。
無料で見学会や・体験会も行っておりますので、お子さまと一緒にお越しいただくのはもちろん、じっくり話を聞きたいという方は保護者のみの参加も大歓迎です。
ぜひ可児市の近隣にお住まいの方は気軽にお問い合わせください。
たんとあるHP:https://tantoale.com/